四日目

深夜

深夜1時、様態急変。呼吸音が変わる。ヒュッヒュッと言い出す。
少し納まり少し寝たが4時に嘔吐。血が混じっている。えずきながら呼吸。キューキューと苦しそうな呼吸。何度もえずく。
吐くものがなくなるとえずきはなくなりヒューヒューの呼吸音。息は荒い。歯茎が白く貧血が強い。
4時40分、少し水を飲み立ち上がってそばを離れる。
廊下前で立ってじっとしている。立っている方が呼吸が楽なのか。どうしようもないのか。
4時45分、廊下で伏せる。なでながら一緒に付き添う。
5時20分、ベットに寝かせる少し落ち着いたように見えたがまた立ち上がってじっとしている。
5時25分、ベットへ。ウトウトしている。持ちこたえてほしい。

朝7時、床に数カ所の血の跡。廊下に伏せている。食事できず。ベッドで顎を膝にのせ頭に手をおく。目をつむってうとうと寝ようとする。息は苦しい。
家内と二人で静かに付き添う。

8ー10時、水、ヤギミルク、チュール、口に入れようとするが取れず。

10時15分、目を閉じ口を開けて呼吸をしだす。
10時40分、トイレに行く。ヤギミルクを作り直す。飲みたいようだが飲めず。水を飲もうとするが飲めず。ヤギミルクの前で立ったままハァハァ言っている。

11時、庭と家の前を歩く。すぐ家に入らせる。玄関が見えるところでやっと伏せる。
瞼が重く船を漕ぐ。

11時20分、24度だがエアコンを入れて扇風機を回す。床で眠る。

14時、顎を漬けて伏せている。呼吸音ヒューヒュー。目をあけたりつむったり。

15時、顎した気管支回りにも複数しこりができている。呼吸がよくなることはない。意識ははっきりしている。苦しさが増すだけ減ることはない。食事も水も取れない。持って今日明日。安楽死を検討。
膝の上に抱っこする。少し楽そうだ。

夕方

16時、家の前を歩かせる。立ってるのがやっと。抱き上げて家族写真を撮る。
17時、中間市河川敷で最後のひとときを過ごす。酸欠貧血できつそうだったが最後の景色を見せたかった。

18時、ハーレー動物病院。主治医と相談。経過観察と再度のエコー検査。安楽死が一番苦痛がないと判断。

18時15分、床におろしてもらい膝の上に抱いて落ち着いたところで声掛けをしながら投薬。腕の中で眠っていくのがわかる。心停止後抱きかかえると口から大量の吐血、大量の血が肺に溜まっていた。今朝よく持ち直してくれたと思う。

帰ってきて猫たちに迎えられる。
明日の夕方16時に葬儀だ。友達も数人会いに来てくれる予定だ。

家族との別れは初めてではないが、安楽死を決断したのは初めてだった。
今まで動物と関わってきた知識のすべて使っての判断だ。勇気がいることだった。死後の吐血を見たとき間違いじゃなかったと確信できた。

腫瘍発見から一時も離れずに過ごすことができたこと、苦痛を自分の手で最後にしてあげられたこと、何度も思い返すが後悔はない。

しかし、100日ほどは経過観察と介護ができると勝手に思っていた。早すぎて寂しすぎる。血統書名スピードスタークリフ。9歳11ヶ月。名前のとおりだった。

生まれ変わったらまたいっしょに走ろう。

 

CLIFF

「イエイヌに生まれ変わっても幸せ」な世の中に近づけるよう奮闘中。 愛犬クリフとの旅は愛犬ロッキーに引き継がれ西に東に奔走中。 クリフチャンネル株式会社代表。IT事業、飲食事業を営む。 わんこ×トレイルを通じて、「犬との生活は人生を変える!」を伝えたい。