きっかけは
宇佐市にあるドッグカフェSORAcafeだ。もし、このカフェと出会っていなかったら最初の愛犬はアスリートドッグになってしまっただろう。トレーニングフリークになりかけていた私を我に返させてくれた。
犬を自分の思い通りにさせるのは、トレーニングとしては本意ではない。しかし、トレーニング技術としてはどのようにでも教育できる。そこにあモラルがなければいけない。ディスクドックは犬の競技だが、あれは人の競技だ。ディスクコントロールやトレーニングの優劣を決める競技であり、犬が楽しいものではない。一部の競技者は犬を使った代理戦争になっている。
勝ち負けにこだわるのではなく、犬とのコミュニケーションを楽しむ場所だ。勘違いしてはいけない。下手くそな犬が飼い主のために一生懸命走るのはなんとも愛らしい。
犬との接し方のお手本を見たのがこのカフェだ。当時看板犬のソラ。特別なトレーニングや躾はしていないという。激しく怒るわけでもなく静かに良いか悪いかを指示するだけだという。安全な環境と落ちつた愛情さえあれば、犬は飼い主に従順なのだ。脅迫的な「犬のトレーニングをしなければいけない」という呪縛から開放されたのがこのカフェだ。
会社を退職した。
それほど、この出会いは衝撃的だった。犬の生体や教育を知っていくことで行動学や心理学を学ぶこととなり自分の人生を考えるようになった。会社にいたのでは人生において自分のしないといけないことができないと思ったのだ。畑違いへの独立のため会社で培ってきた人間関係、顧客すべて捨てることになった。残ったのはスキルだけだ。しかし、会社の意思を代弁しないでいいということは、自分自信に嘘をつかなくていいということだ。会社員という子供の時代は終わり大人の人生を出発をした。
人と犬の集いの場所を作ることが
自分の使命だと思っている。人だけが幸せになってはいけない、犬だけが幸せになることもできない。人と犬が幸せになって、そのまわりも幸せになっていく。そういう場所を作りたいのだ。
しかし、事業計画書作りは困難を極めた。銀行やコンサルと打ち合わせリサーチを進めるうちに2年以上続くドッグカフェが異常に少ないことがわかった。ドッグカフェがというより飲食業界自体が不景気なのだ。
長年副業としていたPCメンテナンス事で開業し、その一年後キッチンカーでスタートさせた。ハイブリッドな複合事業で進めていくことにした。ITと飲食は全くかけ離れているように思われるだろうが、キャッシュレス決済やオンラインマーケティングなどIT はどの業界でも切っても切れない関係だ。
昨年、法人化し「クリフチャンネル株式会社」という社名になった。
複合事業であることと、人と犬のための企業であること、愛犬クリフの名前を借りて命名した。
まだドッグカフェはできていない。夢の途中だ。